紀元前4世紀半ば、マッシリア(マルセイユ)人の植民地となり、交易の地として栄えていたが、紀元前154年にローマ人に占領されると、北部の丘にこの地方の首都が置かれた。それが現在のシミエ地区で、当時の円形闘技場や浴場の遺跡が発見されている。
ローマの衰退後は、ゲルマン民族やイスラム教徒に占領されたり、神聖ローマ帝国の一部になったりと、変転を重ね、14世紀末からはサヴォア家領となり、1720年から同家はサルディーニャ王として、ニースの支配を続けた。フランス領となった1860年以来、英国をはじめ各国の王侯貴族が集い、ヨーロッパ随一の避寒地として発展した。
講談社「地球旅行」より