ドゥーロ川(Douro)
ドゥーロ川を挟んで対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア(Villa Nova de Gaia)には、有名なポルトワインの醸造所が多くあり、ドン・ルイス1世橋を渡って行くことができます。そして、こちら側は、カイス・ダ・リベイラ(Cais da Ribeira)と呼ばれる露天やレストランが並び、遊覧船の発着所があります。
旅の初めの午前中からドゥーロ川を眺めながら、夫と二人でビールを飲んでいると、贅沢な時間を過ごしているという思いが沸き上がり、旅に出たときの解放感が押し寄せてきました。街を歩いているときには、リラックス感を味わうことはむずかしいのですが、立ち止まりぼーっと景色を眺めていると、刻々と過ぎていく時間を楽しむことができるのです。人の間隔を麻痺させるようなアルコールの影響も大きいかもしれません。 カフェには、歩き疲れた人たちではなく、純粋にドゥーロ川の景色を楽しむ人たちが多くいるように思えました。
すると、そこへ昔風のワイン樽を運んだとおぼしき帆船が何隻か現れ、マントに身を包んだ人も船の舳先に立っています。時間が来ると、デモンストレーションをするのでしょうか。思い掛けずに現れた帆船に、シャッターチャンスとばかりにたちまち人だかりが。町中に比べるとこの界隈の人の多さと賑わいは活気に満ち、たちまち私たちにも伝染してきて、楽しい気分になります。
昼時になり、連なるレストランの中の一軒でランチをとることにしました。夫は鰯の塩焼き、私はシーフードリゾット。塩焼きの方は、中心部の骨近くが生焼けだったようです。リゾットは可もなく不可もなくといった食事でした。いつも思うことだけれど、魚を料理させたら日本人の右に出る民族はいないのではないでしょうか。