ファド
せっかくリスボンに来たことだしと、前夜はファド(ポルトガルの歌を聞くことができるレストラン)に行きました。皆様、食事をしながら歌を聞いていましたが、我々は先に中華料理店にて、安くておいしい料理をいただき、歌だけを聞きに行ったのです。ところが、奥の落ち着いた席に通されたまでは良かったのですが、周り中、煙草を吸う人たちで囲まれたテーブル。最初は我慢していましたが、喘息の持病がある私は、とうとう我慢ができなくなり、入口近くの席に移りたいと申し出たのです。夜も更けた頃の方が真打ちが登場するだろうとは予測できましたが、それほど歌に期待もできず、そうそうに退散してしまいました。
歌の良し悪しというのは、言葉がわからなくとも伝わるはず、というのが我々の感想です。何年か前の『ウルルン滞在記』に石川さゆりさんがベトナムの村に滞在したとき、彼女の歌があまりに上手いので、村の女性たちが「あなた、歌手になれるわよ。」と言っていたのを思い出したくらいです。入るお店を間違えたかしら。ホテルのスタッフのお薦めだったのに。
サン・ジョルジェ城
サンジョルジェ城は、リスボンの街並みを眺められて展望が良いところです。4月25日橋を見るたびに、ああ、あそこを渡ってきたのだなと感慨深いものがあり、2回も渡ると、単なるただの橋ではなくなり、懐かしい感じさえしてくるのが、我ながらおかしいです。至る所で砲台を見かけると、国の大部分が大西洋に面しているポルトガルでは、海からの侵略者に対して非常に警戒していたのだと、名所を巡るたびに感じられます。
サンジョルジェ城のある丘の上には洒落たレストランもあり、おしゃれをした人々が優雅なランチを楽しんでいました。旅も終わりの方になると、高級そうなレストランには入ろうという気がなくなってくるので、横目でそれを眺めながら城に向かいました。城といっても城壁が残るのみですが、凹凸のある縁はいかにも城といったイメージにぴったりです。
カテドラル
カテドラルの一角は、未だ発掘中で、発掘現場に板が置かれ、それを見学できるようにしてありました。発掘作業を眺められるのは、それはそれで興味深いことでしたが、石を彫るとその土埃が舞い上がり、こんな中で1日中仕事を続けている人たちは、きっと塵肺になるに違いないと思えるほど、もうもうとして景色がかすむような状態でした。リスボン中心街
旅の最終日は、お土産を買うためにバイシャ地区をうろうろ、あっちの店を除き、こっちの店を除き、またパスティス・デ・ナタを食べてみては、やはりベレンのお店の方がおいしかったと感じてみたり。この、街中を散策するというのが、一番体にこたえます。あてもなく、ただブラブラすることは夫が好きなことで、私はだめ。目的のものを探しながらの買い物は、まるで好みではありません。大部分の女性たちが好きなショッピングの楽しみは、私には無縁の世界です。好みがはっきりしているので、時間ばかりとられて目的のものがないと、喪失感が襲ってくるからです。だから、旅の途中で、ちょっと良いなと思うものがあれば、即買い、です。ところが、夫は最終日まで持ち越すタイプ。途中でTシャツでも買えばいいのに。
歩行者天国や人込みの中を歩いていて、すっかりリスボンの街が嫌になりました。他の国と比べると、歩きながら煙草を吸っている人たちの多いこと、このうえないからです。男性も女性も、スパスパ、スパスパ。昨夜のファドのスパスパは観光客でしょうが、この辺を歩いているのは地元の人間も多いと思われます。ラテン系の国は比較的自由に煙草を吸いますが、それにしても、フランスやスペイン、ギリシアに比べると、その自由さは突出している気がします。迷惑なこと、この上ありません。
ポルトガルの宝くじ。カラフルで綺麗。
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サン・ジョルジェ城
カテドラル
外見からはとても駅に見えない、リスボンのロシオ駅
胴腹にキャノンのロゴを付けたタクシー。ずい分見かけました。中には路面電車にもキャノンのロゴ付のものがありました。が、残念なことに写真に納めることはできませんでした。ユーロ2004のスポンサーになっているからでしょうか。