ポルトワインのツァー
ポルトに来たからには、是非ポルトワインの試飲をしたい。幸いこの日は運転をしていない日だからアルコールを飲んでも平気です。ドン・ルイス1世橋を渡るといろいろなワイン工場が並んでいるのですが、黒マントがシンボルのサンデマンの建物はレストランのようになっており、ツァーができる雰囲気ではありません。別の場所で試飲できるのかもしれませんが、私たちは、河沿いで簡単に見つかった『カレム』でのワインツァーを楽しむことにしました。2時からだというので、それに合わせてぶらぶらしてから再びカレムに行くと、時間を合わせた人々がぞくぞくとやって来てワインツァーは開催しました。ワインは、ドゥーロ川上流で収穫された葡萄から作られます。ポルトワインは発酵の途中でブランデーを加えて発酵を止める酒精強化ワインで、スペインのシェリー酒、ポルトガルのマディラ酒とポルトワインで三大酒精強化ワインと言われています (ポルトワインの作り方)。大航海時代、発酵をとめたワインでなければ長い船旅の間に酢になってしまうので、この方法が考案されました。醸造方法から、いくつかの種類に分けられています(ポルトワインの種類)。
ガイドの女性が英語で語っているので、ところどころはおぼろげにわかりますが、詳しい説明はチンプンカンプン。立ったまま説明を聞く時間が結構長いこと。みんな試飲タイムを心待ちにしている様子です。
巨大な木樽を通り抜け、奥の試飲場にたどりつくと、そこにはすでに人数分のワインが、それぞれ赤と白と一杯ずつ置かれていました。ワインの試飲ツァーに来る客ならワイン好きかと思いきや、中にはあまり好きではない女性もいるようで、全然口をつけないワインのグラスが放置されています。もったいない。隣の男性が、それをチラチラ盗み見ていましたが、その女性が席を立ち行ってしまうと、そちらのワインもちゃっかり飲んでしました。まあ、残しておいても係がきっと捨てることになるのでしょうから、きれいに片づけた方がいいに決まっています。
赤玉ポートワインとは、似ているのは色と甘さだけ。通常のワインよりアルコール度が高いので、甘くて飲み心地が良いのだけれど、クイクイ飲むわけにはいきません。白も赤に比べればさっぱりしていておいしいけれど、ポルトワインなら赤がお薦めでしょう。変なワイン臭さがなく、飲む前からおいしそうな期待感が湧き、口に含むとすんなりと喉を通っていきます。口に入れようとするときと、飲み込んだ瞬間に鼻腔を通る強いアルコールの香りはこのワインが普通の度数でないことを思い知らされますが。
飲み終わった客は、部屋の壁に並べられているワインを物色しだします。せっかく、ポルトに来たのだから、やはりお土産に買っていかなきゃもったいない。家に帰ったら、ゆっくり旅の思い出に浸りながら味わおうと、ファイン・タウニーを買いました。