ボンジェズス教会
ギマランエスからスペイン国境近くまで行く間、ブラガの町の近郊にボン・ジェズス教会はあります。この教会の美しさは、階段の一番下から見上げたものでしょう。白に幾何学的な斜線が規則正しくつづら折りになった階段の頂上に教会がそびえ立っています。この日は今回の旅の中で一番暑く、午後4時頃だというのに強く照りつける西日で、息を切らしつつ階段を登りました。階段を登るより、片道だけ降りる方が好みだったのですが、ボン・ジェズスの道標を頼りに道を車で行くと、自然に上の教会のところまで行ってしまいました。 そのまま階段を足で降りたら、今度は登ってこなければならないと、躊躇しながらうろうろしていると、ケーブルカーが発車間際なのに気がつきました。慌ててそれに乗り込み、片道だけ階段を登ったというわけです。
写真で見ると階段はさほどの段数ではなさそうに見えますが、これがどうしてどうして、ジグザグに配置され1階上るのに結構時間がかかります。その踊り場一段ごとに置かれている噴水が、下から視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を表し、次が「信仰」「希望」「博愛」を表すとカイドブックには書かれていましたが、一番上にさらに噴水があったので、数があわなくなってしまいました。信仰は十字架で表しているとしても希望と博愛がこれらの噴水だったのか定かではありません。信徒は一段ずつ祈りを唱えながら登っていくとのこと、一気に登った私たちには、御利益は少ないでしょう。
それぞれの階段は、五感の階段(Escadaria dos Cinco Sentidos)、三徳の階段(Escadaria das Virtudes)というらしいですが、どこかに書かれていたのでしょうか。気がつきませんでした。
実は、ブラガの町までは比較的道を間違わずに辿り着いたのですが、ボン・ジェズスに入る道がなかなか見つからなかったのです。大きな通りからボンジェズスの標識を頼りに右へ入るとロータリーになっており、そのロータリーはイギリスやその他の国のロータリーとは違い、行き先の表示がないのです。最初は右から二番目を走ってみました。どうも違うようだと右回りの方向に走ると最初の大きな通りに出ました。また、そのロータリーに入り、一番右に行き、これも違うとまた同じ大きな通りに出たところで、やっと遥か丘の上のボン・ジェズスに気がつきました。三度目の正直でロータリーの別の道を行くと、その道はやっと上りになり、それらしい正しい道に導いていくのでした。
何度も何度も同じ道をグルグルグルグル。ポルトガルの道を罵りつつ、感性で運転しなければいけない国なんだなあと、走りやすかったドイツを懐かしんだのでした。
視覚を表す噴水。目から水が流れています。
聴覚を表す噴水。耳から水が流れています。
嗅覚を表す噴水。鼻から水が流れています。
味覚を表す噴水。口から水が流れています。
触覚を表す噴水。手で持った壺から水が流れています。