確かに部屋の写真を撮ったのに、なぜかその写真がありませんでした。ユーロ2004(サッカー)の開催のせいで、ポルトガルに観光客が押し寄せ、ナザレも引き合いが多くあったようです。
事前に、1泊分の料金をいただきたい旨のeメールがあり、「OK、でもナイスヴューの部屋を取っておいてね。」と書き送ったおかげか、角部屋の景色の良い部屋でした。『地球の歩き方』に載っていた部屋と同じだったので、ベストな部屋をあてがってくれたのでしょう。砂浜は目の前、ケーブルカー乗場もすぐ近くで場所は申し分ありません。観光客が騒いで夜もうるさいのではないかと懸念していましたが、疲れていたせいか結構眠れました。ここは、宿泊のできるシーフードレストランですが、宿としては設備はあまりよくありません。ナザレでは有名なレストランだそうですが、夕食を食べるつもりで宿を予約したのにもかかわらず、料金が結構高いので、裏通りの気軽に食べられるレストランに早めに入りました。

予約時に一番感激したのは、このお城に泊まれることでした。お城のデラックスルームなんて想像しただけでわくわくするではありませんか。たまたまスタンダードルームの空きがなく、デラックスなら空いてますという返信だったので、お城にリーズナブルな料金で泊まれるチャンスはめったにないので予約したのです。たった9室しかない人気のポウザーダです。
ところが、一つの塔を縦割りにし二つの部屋をこしらえたもので、窓といったらこの写真のように一筋の光が射し込むだけの薄暗い部屋。まるで幽閉されているみたい。部屋に一歩を踏み出し閉所恐怖症の私が耐えられるかと、一瞬自分に問いかけました。梯子のようなミシミシいう階段の上にセミダブルベッドが置いてあります。狭くて暗い上にセミダブルとは。要塞目的のお城が居住するのに快適なはずはなく、こういう雰囲気が好きな人もいるのでしょうが、私はダメ。外に向けていっぱい開けている部屋が大好きだから。期待感一杯だったので、めちゃくちゃがっかりしたのです。
そしてなぜか蠅が多く、部屋のドアを開け閉めするたびに、人間と一緒に部屋の中に入ってきて、ぶんぶんうるさいことこの上なし。ユーロ2004のポルトガルとギリシャの決勝をテレビで見ながら、一晩で10匹以上やっつけるはめに陥りました。
手前にある塔は、我々の泊まった塔より小さく、この塔には1室しかないようです。3室しかないのだから当然ですが。結局、2階のラウンジに直接出られる部屋が、このポウザーダの中で一番良さそうな気がしました。