カウパンゲルスターヴ教会(Stavkirker)
スターヴ教会は、 外観が板張りになっている教会で、中世のノルウェーではほとんどがスターヴ形式で建てられていました。1200余りあったノルウェーのスターヴ教会のうち、現存するのは28しかありません。
ノルウェー以外にも中世の北欧には木造教会が各地にありましたが、一つも残っていません。
共通する構造は、板柱または縦板による壁を持っていることです。
スターヴは垂直に立った柱、ヒルケは教会のこと。
スターヴ教会は、イギリスの教会が見本という説と古代ノース人の伝統的な建て方だとする説があるようです。
最古のスターヴ教会にみられる見事な獣態装飾は、後世にはカトリックモチーフとなり、古典的な蔓草模様と竜を彫刻した門枠の装飾は消えて行きました。
カウパンゲル(Kaupanger)のスターヴ教会は、ソグンダール空港の近くにあり、観光バスもやってくる(おそらくコースに取り入れやすい)教会です。
写真のように教会の回りには低い墓石のお墓がたくさん取り巻いており、おばあさん二人がせっせとお墓の手入れをしていました。
そのお墓の隅にあったトイレは、蓋を開けると、ただ穴があいているだけという素朴なもので、私でも座るのがはばかられる造りで、思わず写真のみということにあいなりました。
ゴルスターヴ教会(オスロの民族博物館)
ゴルのスターヴ教会は、元はゴルにあったのですが、現在はオスロの民族博物館の中に移築されています。竜頭の飾りがついた教会を見たいときは、オスロにあると行きやすいですね。ボルグンの教会も竜の飾りがついていますが、私たちはウルネスかボルグンのどちらかにしか行ける時間がありませんでした。
ボルグンの方が遠かったのと、ウルネスが世界遺産なのにあまり日本人が行かないようなので、逆に行く気になりました。
ガイドブックに載っていなくては(村上よしゆきさんのガイドブックを除く)いったいどうやって行けばよいのか。
ときどき、これが世界遺産かと、なぜ登録されているのかが理解できない建物に出会ったりすることもあるので、今回もその一つかと懸念しつつ。
STAVKIRKER
Souvenir Guide Bookより(抜粋)
Souvenir Guide Bookより(抜粋)
Heddal ヘッダル |
ノルウェー最大のスターヴ教会。 |
Røldal レルダル |
十字架像に病気を治す力があるとされている。 |
Eidsborg エイスボル |
旅人を守る聖ニコラスを讃えて献された。 |
Hedal ヘダル |
1699年に増築され十字型になった。 |
Reinli レインリ |
ヴァルドレス地方が見渡せる。 |
Lomen ローメン |
入口枠、祭壇部、柱頭部が豊かに彫刻されている。 |
Fantoft ファントフト |
ホートンから移転。願いがかなう望み石が埋め込まれている。 |
Borgund ボルグン |
そびえ立つ均整のとれた美しさ。 |
Urnes ウルネス |
ノルウェー最古のスターヴ教会。 |
Hopperstad ホッペルスタッド |
ヴィークにある三合わせ構造のスターヴ教会。 |
Kaupanger カウパンゲル |
1180年頃の建造で後再建された。 |
Garmo ガルモ |
ロムからリレハンメルのマイハウゲンに移築。 |
Gol ゴル |
1200年頃の建造で、スターヴ大柱が建物を支える。 |
Ringebu リンゲブ |
1630年頃十字形教会に改築。 |
Lom ロム |
三合わせ構造で柱が多い。1100年代後期の建造。 |
Rødven レドヴェン |
時代の経過とともに改築された。 |