ベヘロフカ(Becherofka、チェコの養命酒)
カルロヴィ・ヴァリの源泉は全部で12。
13番目の源泉は、チェコの養命酒ともいえるハーブ酒、ベヘロフカと決まっているそうです。
町を歩いていると、あちこちで大小の瓶に入ったお土産用のベヘロフカを買うことができます。
とにかく薬酒と聞くと、すぐどんなものだか試してみたくなるので、早速購入して味見をしてみました。
薄荷が入っていて消化吸収がよくなりそうなお酒であることはすぐわかりましたが、他にどんなものが材料なのかが知りたい。
しかし、それを知るにはベヘロフカの博物館に行かなければと、新市街にあるベヘロフカ・ミュージアムを尋ねることにしました。
ホテル・テルマルをすぎて左に行くと、新市街の様相を帯び、まっすぐいくとミュージアムです。ショップでツァーのチケットを購入できます。
1805年、カルロヴィ・ヴァリの薬屋だったヤン・ベッヒャーのもとに、ある伯爵が温泉療養しに来て部屋を借りたが、そこを去るときに連れてきたイギリス人医師が作ったハーブ酒のレシピを置いていってくれた。
それをもとに、ヤン・ベッヒャーはベヘロフカを作ったということですが、この博物館ではその歴史と今まで作られてきたベヘロフカの瓶の変遷や輸出用のボトル、醸造用の樽などを見ることができます。
しかし、材料は結局教えてもらえませんでした。中国から伝わった薬酒は、レシピを惜しげもなく公開されているというのに、ベヘロフカは秘密というわけです。 最後にテイスティング・ルームでベヘロフカの試飲を楽しむことができますが、我々はちょっと急いでいたのとドライバーである私がそんなに飲むわけにはいかず、舌にほんのちょっと乗せて味見をしただけにとどまりました。
もっと早くこのミュージアムに気づいていれば、前日にゆっくり来ることができたでしょう。
ベヘロフカは、梅酒ほどの度数だし、薬臭くはないので、食前酒にするには最適のお酒。
それでも、梅酒やサンザシ酒、カリン酒などの薬酒を日常的にいただいている日本人にとっては、門外不出のレシピといわれても、もったいをつけているだけのような気がして、商売上手のチェコ人という印象しかありません。
人は、『秘密』ということばに弱いですからね。
醸造用の樽が立ち並ぶ
ベヘロフカのテイスティングルーム
ベヘロフカ試飲用のおしゃれなカップ